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一般社団法人特殊鋼倶楽部 藤岡会長2022年新年挨拶

 

一般社団法人特殊鋼倶楽部
会長 藤岡 高広

 新年あけましておめでとうございます。2022年の年頭に当たり、新年のご挨拶を申し上げます。

一昨年からの新型コロナウイルス感染症の拡大により世界経済は大きな影響を受けましたが、日本では昨年9月末に緊急事態宣言が解除されたこと等もあり、経済活動も回復基調にあります。しかしながら、世界的な半導体不足や原材料費の高騰、サプライチェーンの混乱等による影響で、生産活動に制約が見られ、基調としては力強さに欠ける状況であります。

 日本の粗鋼生産量につきましても、2020年は新型コロナの影響もあって8,319万トンとなりましたが、21年は9,663万トン(前年比+16.2%増)程度まで回復の見込みとなっております。また、日本鉄鋼連盟によれば、今年も昨年と同水準で推移する見通しとのことであります。

 特殊鋼につきましても、2020年の特殊鋼の熱間圧延鋼材生産高は、1,450万トンでありましたが、21年は1,840万トン(前年比+26.9%増)程度まで回復の見込みとなっております。

 さて、昨年5月に私が特殊鋼倶楽部会長に就任しました時に、会長としての基本的な思いは「我が国特殊鋼の競争力の向上」を目指した活動を行って参りたいという点であり、特に、最近の社会経済情勢を踏まえ、会長として2つの事に特に力を入れて行くことを表明いたしました。すなわち「カーボンニュートラルへの取組」と「DX 推進のための一環としてミルシートの電子化拡大を念頭に課題を整理する」の2点であります。

 「カーボンニュートラルへの取り組み」につきましては、昨年7月に特殊鋼メーカー3社および商社1社のメンバーにより「カーボンニュートラルWG」を立ち上げ、会員会社へのアンケートの実施、また経済産業省の大竹金属技術室長による「『グリーン成長戦略』と鉄鋼分野における脱炭素化に向けた取り組み」と題する講演の実施、等の活動を行って来ました。これらの活動も踏まえ、昨年末に特殊鋼倶楽部のホームページにカーボンニュートラルの専用のサイト(部屋)を作成し、情報発信を開始したところでありますが、今年も引き続き内容を充実し、更なる情報発信をして行く予定であります。

 また「DX 推進のための一環としてミルシートの電子化拡大を念頭に課題を整理する」につきましては、昨年8月に特殊鋼メーカー3社、流通・商社6社のメンバーにより「ミルシート電子化拡大WG」を立ち上げ、2回のアンケートを実施し、現状と課題の把握に努めてきたところであります。今後とも特殊鋼ミルシートの電子化拡大と EDI(電子データ交換)について技術面・コスト面から課題を抽出・検討し、情報発信をして行く予定としております。

 特殊鋼倶楽部の継続的なPR活動としましては、昨年も高機能金属展に出展しました。6月の関西展には秋山精鋼(株)、クマガイ特殊鋼(株)と、12月の東京展には南海鋼材(株)、ヤマト特殊鋼(株)とそれぞれ共同出展し、多くの来場者に特殊鋼についての理解を深めてもらうことが出来ました。

 さらに特殊鋼倶楽部では、9月「カーボンニュートラルへ向けたSDGsとビジネス案」、10月「中国における自動車市場の構造的見通しとNEV新興ブランドの事業戦略」、11月「インドにおける電動車普及政策の進捗と部品・部素材メーカーへの影響」、12月「新勢力ブランドのクルマづくりとマーケティング」というテーマで講演会を実施し、会員企業への情報提供を行って来ました。

 本年も引き続き、広報や統計など、基盤的な事業を着実に実施しながら、製販一体の団体であるという特徴を最大限に活かしながら、メーカー会員・流通会員が連携・協力して、「我が国特殊鋼の競争力の強化」のために取り組んでいくことが必要と考えております。

 最後になりましたが、特殊鋼倶楽部会員各社のますますのご発展を祈念いたしまして、私の新年の挨拶とさせていただきます。


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