海外委員会では、委員会活動の一環として海外の主要特殊鋼市場の需給動向等について調査を行っております。２０２２年度は「中国の特殊鋼需給動向調査ー中国特殊鋼産業の現状と展望、技術からみた競争力について」の調査を行い、報告書に取りまとめ報告会を開催いたしました。（鉄鋼会館８０３会議室+Teams利用）

　日本製鉄グループの調査会社でございます日鉄総研株式会社殿より講師をお招きして、「中国の特殊鋼需給動向調査ー中国特殊鋼産業の現状と展望、技術からみた競争力について」を題材として本報告書をダイジェスト版にてご解説頂きました。本調査では、中国の特殊鋼需給動向を文献調査と現地ヒアリング調査により情報を収集し整理しました。また、日本と中国の代表的な特殊鋼企業の特許取得動向を比較することにより、中国特殊鋼企業の技術開発戦略について考察し、また価格面では、中国のECサイトで取引されている特殊鋼の店売り価格の実態等についても調査しました。

　中国では高品質の国産鋼材を目指す政策の下、中国製の特殊鋼はコスト競争力に優れているだけでなく品質も向上し、日本製の品質に近づいています。また納期面などサービスの水準も大きく向上してきております。こうした中国鉄鋼業（特殊鋼業）の現状を、本調査では主要メーカーの実態を分析することで詳しく紹介しております。

　中国はＧＤＰ世界第２位の経済大国に成長し、自動車販売台数は２００９年以降１３年連続で世界第１位を継続しており、自動車・自動車部品などの特殊鋼ユーザー産業としても魅力的な市場であり、品質、価格、サービスにおいて中国の特殊鋼メーカーとの競争が激しくなることは容易に想定されます。ダイジェスト版を本報告会におきまして、詳細にわかりやすく、ご報告頂きました。

　対面及びTeams配信にて多数の会員の皆様にお申込み (お申込み総数：約１１０名) ご参加頂きました。

1.日　　時：２０２３年９月８日（金）１３時３０分～１５時３０分

2.演　　題：２０２２年度調査報告書「中国の特殊鋼需給動向調査ー中国特殊鋼産業の

　　　　　　現状と展望、技術からみた競争力について」（ダイジェスト版）

3.報 告 者：日鉄総研株式会社　サステナビリティソリューション事業部　

　　　　　　産業・資源循環技術部　調査第一室　研究主幹　大内　邦彦氏