市場開拓調査委員会では、特殊鋼の需要開拓事業の一環として、需要産業の動向・展望について講演会を実施しております。

　トヨタグループの調査会社の㈱現代文化研究所殿より講師をお招きして、「世界的な自動車の電動化と国際間連携への考察」を題材として、アジア地域内における国家戦略的連携の方向性を台湾を事例に詳細に分かり易い内容にて、ご講演いただきました。日本をはじめ各国の自動車産業は2050年カーボンニュートラル実現に向けて車両の電動化（ＥＶ）を加速させ、そうした中、米中対立やウクライナ戦争等による地政学リスクが横たわっており、ＥＶ化に伴う半導体や部素材の安定調達は一層重要性を増しています。サプライチェーンの強靭化は現下の国際情勢並び産業のグリーン化（グリーントランスフォーメーション）への転換期における競争力確保の観点から、国家レベルの課題となりつつあります。

　本講演会では、まず主な国々でのＥＶ化取組を概観し、その中での日本の現在地（日本のＥＶ化の目標と現状、地政学上の日本の立ち位置）を把握し、米中対立/米国との同盟関係の中におけるサプライチェーンの強靭化の観点から、アジア領域内における国家戦略的連携のひとつの方向性として、ＥＶ化への取組み過程で半導体や電子類等、自動車サプライチェーンの裾野や強みを伸ばしつつ、台湾との連携可能性について言及いたしました。

　会員の皆様の今後の対策の検討等、議論のたたき台として参考になりました。

１．日　　時：２０２３年１月２６日（木）　１３時３０分 ～１５時３０分

２．場　　所：オンライン配信

３．演　　題：「世界的な自動車の電動化と国際間連携への考察～アジアにおける日本と台湾

　　　　　　　との連携可能性について～」

４．講　　師：株式会社現代文化研究所　市場戦略第一領域所属　主任研究員　清田麻喜子 氏

５．申 込 数：１９１名