市場開拓調査委員会では、特殊鋼の需要開拓事業の一環として、需要産業の動向・展望について講演会を実施しております。

　トヨタグループの調査会社でございます㈱現代文化研究所殿より講師をお招きして、「中国・脱炭素への論調変化と今後の戦略」を題材としてご講演頂きました。中国は2020年9月の国連総会において、習近平国家主席が「3060」（2030年前にカーボンピークアウト、2060年にカーボンニュートラル）を宣言いたしました。また、2022年10月において、中国でこれから5年間の国を率いる新指導部の選出があり、ゼロカーボン戦略が経済社会の発展とエネルギーの安全性を重視する方向へと舵を切ることとなりました。このような論調変化の中で、産業・企業は「3060」へいかに取り組むべきか、社会技術のイノベーションをいかに実践していくかがますます問われる状況となっております。講演会では、まず中国のエネルギー情勢を確認した上、カーボンピークアウトに向けたエネルギー構造の転換と、素材産業を中心とする企業の取り組みと、中国現地の各種専門家へのオンラインインタビューで得た日本への示唆点をご報告頂きました。今後の日中協力に関する政策的な対応を考えることに加え、今後の中国の選択によって世界が影響を受ける諸課題のご紹介がございました。会員の皆様の今後の対策の検討等、議論のたたき台としてとして参考になりました。

　Teams配信にて多数の会員の皆様にお申込み (お申込み総数：約100名) ご参加頂きました。

１．日　　時：２０２２年１２月２日（金）　１３：３０～１５：３０

２．場　　所：オンライン講演会（Teams配信）

３．演　　題：「中国・脱炭素への論調変化と今後の戦略」

４．講 演 者：株式会社現代文化研究所　主任研究員　八杉　理　氏