イベント情報
一般社団法人特殊鋼倶楽部 新年賀詞交換会開催
一般社団法人特殊鋼倶楽部の平成31年新年賀詞交換会は、1月7日(月)午前10時から東京・ホテルニューオータニ"鶴の間"にて開催しました。
当日はメーカー、商社、流通業者など業界関係者約700名が出席。
挨拶に立った石黒会長は「我々特殊鋼業界は、日本のものづくりを今後も支え続けるという使命を果たすために、しっかりと足元を固め更に飛躍出来る1年にしようではありませんか!」と強調、続いて経済産業省製造産業局 井上局長が来賓を代表して祝辞を述べ、佐久間副会長の音頭で乾杯いたしました。
乾杯の後、交換に移るとともに、当倶楽部で作成した業界紹介映像の上映を行い、盛況のうちに閉会しました。
石黒会長の挨拶は以下の通りです。
新年あけましておめでとうございます。2019年の年頭に当たり、ご挨拶を申し上げます。
本日はご来賓の経済産業省製造産業局の井上(いのうえ)局長様をはじめ、多数のご来賓の方々のご出席をいただき、多くの特殊鋼倶楽部の会員の皆様と新春を迎えることができますことに、特殊鋼倶楽部を代表して厚く御礼申し上げます。
昨年は、国際的には、米中貿易摩擦、英国のEU離脱等、不透明感が増しながらも、総じて世界経済は回復傾向が続きました。
国内では地震、台風、豪雨、酷暑などの自然災害を痛感した年でした。被害を受けた方々に改めてお見舞い申し上げます。経済は堅調で、内閣府によれば、2012年12月に始まった国内の景気拡大が、戦後2番目の長さとなり、今年1月には戦後最長となるそうです。
この景気拡大は、かつてと異なり低成長で、実感なき「いざなぎ」超えとも言われていますが、特殊鋼需要は景気を上回る旺盛な状況が続いております。これは、主要需要業態である自動車のグローバル生産が着実に伸びている状況の中で、環境対応等の高品質ニーズが日本製部品とそれを支える素材への期待として表れていること、また産業機械、建設機械等の需要が中国・印度を含むグローバルアジアで大きく伸びたことなどが背景にあるのではと考えています。昨年の特殊鋼の熱間圧延鋼材生産高は、12月27日に経産省が発表した鋼材需要見通しによれば、前年比1.7%増の2,067万トンと、2年連続の2,000万トン超の状況となっています。長期に渡る特殊鋼需給逼迫状況に加え、高機能ニーズに対応した作り込みが必要となっていることもあり、納期調整や在庫のやり繰り等、お客様への安定供給面で非常にご苦労をされた会員の皆様が多かったのではないでしょうか。
一方で、電極などの副資材価格や物流価格の高騰等、我々特殊鋼業界を取り巻くコスト事情は大変厳しく、増収減益という状況下にあります。コストダウン等のさらなる自助努力はもちろんですが、需要業界の皆様に特殊鋼業界の実情について理解を求めていく必要があります。
昨年、当倶楽部としては、特殊鋼に関わるサプライチェーン全体の取引適正化に向けた要望書を一昨年に引き続き取り纏め、経済産業省金属課殿に提出。需要産業界に対するフォローをお願いしました。会員各社の皆様におかれましては、引き続き適正取引の推進・改善に努力されると思いますが、サプライチェーン全体のよい循環が早期に実現されることを期待しているところです。
人材確保も喫緊の課題です。昨年は、日本鉄鋼協会殿のご協力を得て、大学で、特殊鋼業界紹介パンフレット「夢みる鉄」の配布、特殊鋼ポスター「実はすごいんだ、日本の特殊鋼。We are working behind every motion.」の掲示、特殊鋼業界紹介の講演等、特殊鋼ブランディング活動を進めました。また、特殊鋼業界紹介映像の制作も行いました。この映像は、本日、乾杯の後、初披露の予定です。引き続き、「日本のものづくりを特殊鋼が支えている」という我々の思いを、一般社会に訴えて行きたいと考えています。
今年も、米中貿易摩擦は継続すると思われます。また、この影響を受け、他地域でも保護貿易的な動きが相次ぐかもしれません。当倶楽部は通商問題に関する会員会社の支援を、海外委員会を中心に行っていますが昨年、日本鉄鋼連盟殿とともに韓国ステンレス棒鋼WTO提訴に関する要請を、経済産業大臣に行いました。また、米国ステンレス棒鋼については、サンセット手続きに関する関係会社間の調整を行いました。米国ステンレス棒鋼のサンセットについては、経済産業省金属課殿の支援を頂きながら対応し、21年ぶりにダンピング関税が解除されるという特殊鋼業界としても画期的な成果を上げることが出来たと考えています。また、輸出事業に関しては、日本貿易保険殿のご協力を得て、会員向けの貿易保険説明会を実施。会員各社に対する普及、啓蒙に努めました。
引き続き、会員各社の皆様の輸出業務が円滑に行えるよう、皆様のご要望をお聞きしながら特殊鋼倶楽部として、しっかりと対応していきたいと考えております。
さて、今年は亥年です。「亥固まる」といった相場格言があります。「固まる」は、前年のいい流れをさらにいいものにしていくという意味だそうです。足元、中国景気の減速といった懸念材料はありますが、2020年の東京オリンピック・パラリンピック、2025年の大阪万博等、官民一体となったビックプロジェクトが続き、景気の好循環が日本発で続くものと期待しています。我々特殊鋼業界は、日本のものづくりを今後も支え続けるという使命を果たすために、しっかりと足元を固め更に飛躍出来る1年にしようではありませんか!
最後に皆様と特殊鋼倶楽部会員各社のますますのご発展を祈念いたしまして、私の新年の挨拶とさせて頂きます。
石黒会長 経済産業省製造産業局 井上局長
佐久間副会長 会場風景
会場風景 業界紹介映像